
スクリプトが「一般的すぎる」と思ったコジマ監督は、『デスストランディング2』の脚本を開発途中で書き直したと報じられている。コジマがこの重要な変更に踏み切った理由と、続編がいかにして幅広い受け入れられやすさと独自の急進性を両立させているかを探る。
コジマ、『デスストランディング2』を「対立を生み出すには十分でない」と判断
開発途中での脚本変更

『デスストランディング2: On the Beach』は、小島秀夫監督がプロジェクトが「一般的すぎる」方向に傾いていると懸念したことをきっかけに、大きな創造的転換を経験した。これまでの報道によれば、コジマはゲームの早期における好意的なプレビューにさえ不安を覚えたという。彼の野心は、単なるもう一つの大ヒット作ではなく、挑発的な芸術作品を創造することにあった。
プロフェッショナルネームをWoodkidとして知られる作曲家、ヨアン・ルモワンは、6月13日付『ローリング・ストーン』誌のインタビューでこの件について詳細を語った。Woodkidは「開発がほぼ半分に達した頃、決定的な瞬間がありました。彼が私のところに来て、『問題がある』と言ったんです」と明かした。

Woodkidによれば、コジマは過度に好意的な内部テストの結果を警告のサインと解釈したという。監督は、物語が自身が求める強烈で対立を生むような反応を生み出していないと感じ、主要なストーリーの場面を書き直すに至った。「もし誰もがすぐに何かを好きになるなら、それは慣習的で、大衆受けするよう事前に消化されたものだ」とコジマは主張した。彼の目標は、観客が最初は抵抗を感じるかもしれない体験を作り出し、真の、そして持続的な価値を見出してもらうことだった。
大衆的な魅力と急進的なビジョンの融合

Woodkidは続けて、『デスストランディング2』を特徴づける独特の緊張感について説明し、コジマ自身が大衆的でありながら急進的でもあるという矛盾を体現していると指摘した。「一般的な成功を収めるには通常、妥協が必要です」とWoodkidは説明する。「しかし、秀夫はそのようなことを全く気にしません。彼は妥協を拒み、真のオーソリティとしての確信をもって自身の正確なビジョンを実行します」。
強い個人の方向性を持つ一方で、Woodkidはコジマが積極的にチームのアイデアを取り入れることを強調した。「彼は協力的に自身の世界を形作ります。決して彼が一方的に命令を下すだけではありません。私たちのプロセスは絶え間ない対話でした。私がアイデアを提供し、それを一緒に洗練し、編集していったのです」。
新世代のクリエイターを刺激する

続編のリリースを控え、Woodkidは『メタルギア』シリーズや初代『デスストランディング』がそうであったように、今回も開発者たちを刺激すると信じている。ただし、コジマの独特なスタイルを他者が直接模倣するのは難しいだろうと予測している。
またWoodkidは、コジマの作品が映画製作者にとって主要な参照点となると予測する。「彼が監督たちにとって強力なインスピレーションの源となるのも驚くことではないでしょう。映画界は彼の成功、その独特のビジョン、そしてその極めて急進的な性質に純粋に嫉妬しているのです」。
『デスストランディング2: On The Beach』は、2025年6月26日にPlayStation 5で発売予定だ。ゲームに関する最新ニュースとアップデートについては、下記の特設記事をお読みいただきたい。